
株式会社クリーンコールパワー研究所(CCP)の代表取締役社長を勤めております渡辺勉です。
当社は、福島県いわき市(常磐共同火力(株)勿来発電所構内)において、出力25万kWの石炭ガス化複合発電(IGCC)実証機を建設し、平成19年9月から商用化に向けた運転試験を行っております。20年3月に定格出力を達成し、同年6月から2000時間の長時間連続運転に取り組み、9月17日をもちまして成功裏に終了いたしました。これにより、電力需要の高い夏場3ヶ月間をノンストップで運転できる信頼性が実証されました。この様に運転試験開始から1年以内で長時間連続運転が達成できましたが、短期間のうちに達成したのは世界初であり、日本の高い技術力の成果と考えております。
以降も、適用炭種を種々変えてガス化発電が安定的に行えること、発電効率が設計どおりに確保できること等の成果を上げてまいりました。更に、21年6月から22年6月の1年をかけて5000時間の長期耐久性試験を実施し、その中で周辺設備の不具合等も経験しておりますが、順次原因を解明・対策を実施し、IGCC商用化に向けた技術の確立に向け着実な歩みを進めています。この様な取り組みの成果として、平成22年11月に国の評価検討会において、初期目標の達成について報告を行いました。
IGCCは欧米においても開発が進められていますが、当社が研究を進めているIGCCは空気でガス化を行う「空気吹き」であり、酸素製造を伴う「酸素吹き」に対し世界最高の送電端効率が得られるIGCCです。当社が研究を進めておりますIGCCは、商用機ベースでは、最新鋭微粉炭火力に対して約2割の効率向上となり、石油火力並みのCO2排出量で石炭火力発電ができます。このため、資源の節約とともに、地球環境問題にも貢献でき、国内外において今後広く導入されることが期待されます。引き続き、適用炭種を更に拡大する試験、運用性向上試験等を計画しており、IGCCが商用機として求められる性能、耐久性、経済性等を検討・検証してまいります。これからも電力各社等のご支援を得ながら、21世紀の日本のエネルギー供給と地球環境保全に貢献するため、IGCC技術の開発に邁進してまいります。
代表取締役社長 渡辺 勉